キャラクターに血肉を通わせたバターカップの声優陣のキャスティングは、日米ともに声優史に残る名采配として知られています。特に日本語吹き替え版における歴代キャストは、それぞれ異なるアプローチで彼女の荒々しさと愛嬌を完璧に演じ分けてきました。ここでは歴代声優の現在と、その表現の軌跡を振り返ります。
1998年スタートのオリジナルシリーズで初代バターカップを務めたのは、言わずと知れた名優・大谷育江氏です。『ポケットモンスター』のピカチュウや『ONE PIECE』のトニートニー・チョッパーなど、世界中を魅了するマスコットボイスの印象が強い大谷氏ですが、バターカップで見せたドスの利いたハスキーボイスと、小生意気な吐き捨て台詞の切れ味は圧巻の一言でした。ただ粗暴なだけでなく、ふとした瞬間に漏れ出る幼児特有の甲高い甘え声が混ざる絶妙な匙加減は、大谷氏の卓越した演技力があってこそ成立した至芸です。2026年現在も第一線でレジェンドとして活躍を続け、その表現力は後進の指標であり続けています。
一方、2016年にスタートしたリブート版でバトンを受け継いだのが、舞台や映像でも目覚ましい活躍を見せる実力派・黒沢ともよ氏です。子役出身ならではのナチュラルかつエモーショナルな発声を持ち味とする黒沢氏は、現代的なティーンエイジャーに近い等身大のフラストレーションと、少しハスキーでクールなトーンをバターカップに吹き込みました。オリジナル版への深いリスペクトを払いながらも、新世代の自立した少女像を提示した黒沢氏は、2026年現在も映画、舞台、アニメーションの枠を縦横無尽に越境するトップランナーとして不動の評価を築いています。