悠木碧が演じてきたキャラクターの幅広さは、声優業界でも群を抜いています。少女の純真無垢さから、狂気を孕んだ軍人、知的で冷徹な毒舌キャラ、天真爛漫なマスコットまで、完全に自己の声を解体して役に溶け込ませる職人技を見せてきました。
その名を世界中に轟かせた最大の転機が、2011年放送の『魔法少女まどか☆マギカ』の主人公・鹿目まどか役です。過酷な運命に翻弄されながらも世界の救済を願う少女の繊細な揺らぎと慈愛に満ちた声を演じきり、第6回声優アワードにて史上最年少の19歳で主演女優賞を受賞するという快挙を成し遂げました。
そして近年、悠木碧のキャリアの新たな金字塔となったのが、社会現象となった『薬屋のひとりごと』の主人公・猫猫(マオマオ)役です。毒と薬に対する異様な執着を持ち、人間関係には一歩引いたドライな視線を向けつつも、根底には鋭い洞察と優しさを秘めた猫猫の声を、絶妙な低音とクールな抑揚で見事に表現。原作ファンからも「猫猫の思考回路そのものが声になっている」と絶賛され、作品の世界的ヒットを牽引しました。
そのほかにも、悠木碧のキャリアを語る上で外せない代表作は枚挙にいとまがありません。
- 『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズ(立花響):全力の魂の叫びと過酷なアフレコ現場を生き抜いた、熱血型主人公の極致。
- 『幼女戦記』(ターニャ・デグレチャフ):見た目は幼女、中身は徹底的な合理主義のおじさんエリートという難役を、ドスの利いた怪演で圧倒。
- 『僕のヒーローアカデミア』(蛙吹梅雨):独特の語尾「ケロ」を愛らしく、冷静沈着なサポート役として親しまれる国民的キャラ。
- 『七つの大罪』(ディアンヌ):純粋で一途な巨人族の少女を可憐に演じ分け。
- 『原神』(蛍 / 女性主人公)&『Fate/Grand Order』(酒呑童子、ジナコなど):ゲーム分野でもトップティアの存在感を放ち続ける。