古いフランスの陶器を手に取ると、表面の釉薬に細かな網目状のヒビ模様が見られます。これは「貫入(かんにゅう)」と呼ばれる現象で、焼成後の冷却時に素地と釉薬の収縮率の違いによって生じる自然な表情です。割れているわけではなくアンティークならではの味わいですが、水や油分が染み込みやすいため、適切なケアが不可欠となります。
長く愛用するための陶器貫入お手入れ方法の要点は以下の通りです。
1. 使い始めの「目止め」
器を鍋に入れ、米のとぎ汁(または小麦粉を少量溶かした水)を器がかぶるまで注ぎます。弱火で15分〜20分ほど煮沸し、そのまま鍋の中で完全に冷まします。デンプン質が貫入の微細な隙間に入り込み、料理の油分や色素の染み込みをブロックしてくれます。
2. 盛り付け前の水通し
料理を盛り付ける直前に、器をさっときれいな水にくぐらせて水分を含ませ、軽く拭き取ってから使用します。これだけで、ソースやドレッシングの油染みを大幅に防ぐことができます。
3. 洗浄と保管の注意点
電子レンジ、オーブン、食器洗浄機(食洗機)の使用は厳禁です。洗う際は中性洗剤と柔らかいスポンジを使い、長時間のつけ置きは避けましょう。洗浄後はしっかりと自然乾燥させてから食器棚に収納します。水分が残ったまま密閉すると、貫入部分にカビや黒ずみが発生する原因となります。