『悲しみは雪のように』が誕生したのは、大ヒットを記録した1992年ではなく、それより10年以上前の1981年のことでした。当時、浜田省吾の母親が突然の脳内出血に倒れ、意識不明の重体となって生死の境をさまようという過酷な出来事に見舞われます。
病院の集中治療室で母の手を握りながら、悲痛な面持ちで立ち尽くす父親や自身の張り裂けそうな思いを目の当たりにした浜田省吾。その極限の精神状態の中で、母の回復を懸命に祈り、打ちひしがれる家族と自分自身を支えるために紡ぎ出したのが、この楽曲でした。
単なる男女の別れを描いた失恋ソングではなく、「命の危機に瀕した母への想い」と「人生で直面する逃れられない悲しみへの向き合い方」が原点にあるからこそ、聴く者の魂を揺さぶる圧倒的な深みが宿っています。