多くの飲食店が陥りがちな罠として、「手書きであれば何でも味が合って受ける」という思い込みがあります。しかし、現場検証から明らかになったいくつかの重大な盲点が存在します。
最も深刻な失敗は、「読めない文字(過度な崩し字・クセ字)」による注文機会の損失です。個性を出そうとするあまり、草書体のように崩しすぎた文字や、インクのかすれが酷いPOPは、顧客に解読の手間を強いてストレスを与えます。特に薄暗い間接照明の居酒屋空間では、文字の可読性が著しく低下するため、「やや太めの線で、濁点や数値を明確に書く」ことが絶対条件となります。
また、用紙の全体に文字をぎっしり詰め込んでしまう「余白恐怖症」も典型的なミスです。紙面の30〜40%はあえて余白を残すことで、初めて主役となるメニュー名が際立ちます。何でもかんでも手書きにするのではなく、定番のドリンクやグランドメニューは視認性の高い構成にし、日替わりや季節限定品に絞って手書きを活用するメリハリが不可欠です。