1996年4月から6月にかけてフジテレビの「月9」枠で放送された『ロングバケーション』は、平均視聴率29.6%、最終回には驚異の最高視聴率36.7%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を叩き出しました。「月曜日はOLが街から消える」「ピアノを習い始める男性が急増する」といった数々の社会現象を生み出し、まさに90年代のテレビドラマ文化の頂点として君臨しています。
この物語の推進力となったのが、山口智子が演じた葉山南というキャラクターでした。白無垢姿で街を全力疾走し、瀬名のマンションへと乗り込んでくる衝撃の第1話から、視聴者はその無防備でパワフルな姿に一気に引き込まれました。
当時の山口智子の年齢は31歳。対する木村拓哉は23歳。実年齢で8歳の差があった二人ですが、年上女性の飾らない包容力と年下男性の繊細なプライドが絶妙に交錯し、画面越しにも息遣いが伝わるようなリアルな空気感を作り出しました。脚本を手掛けた北川悦吏子氏のテンポの良い会話劇を、彼女は台本以上の瑞々しさで演じきったのです。