司忍組長の移動車を語るうえで最大の焦点となるのが、外見からは見分けがつかない「特殊防弾カスタム」のレベルです。警察当局の鑑識データや特殊防護車両の設計に携わるエンジニアの分析によると、専用車に施されている装甲は、欧州の要人警護規格であるVPAM BRV規格の「B6からB7レベル」に相当するとみられています。
このレベルは、一般的な拳銃弾(9mmパラベラム弾や44マグナム)を防ぐ程度のものではありません。旧ソ連製の自動小銃AK-47(7.62×39mm弾)や、NATO軍仕様のアサルトライフル(5.56×45mm弾)による至近距離からのフルオート掃射、さらには手榴弾や下腹部へのクレイモア地雷による爆風・破片すら完全に遮断する軍用車両レベルの防御力を持っています。
改造ポイントの核心は、窓ガラスの昇降機構をあえて殺している点にあります。分厚い防弾ガラスは1枚で数十キロの重量があり、通常のモーターでは昇降できないばかりか、隙間が生じること自体が銃弾の侵入リスクとなるため、運転席の料金所通過用小窓を除いて完全密閉されるのが通例です。ドアを開けた際に露出するドアシルの厚みや、ドアヒンジが極太の削り出し強化スチールに変更されている点など、細部まで徹底した要塞化が施されています。