埼玉県の一般入試において、受験生の心理を最も揺さぶるイベントが出願後の「志願先変更期間」です。例年2月中旬に発表される当初倍率を見て、わずか2日間の受付期間中に数千人規模の生徒が志願先を動かします。この埼玉県公立高校志願先変更動向を読み違えると、想定外の高倍率に巻き込まれる危険性があります。
近年、特に波乱の震源地となっているのが、浦和第一女子高校倍率と市立浦和高校倍率推移の対比です。市立浦和は、高校からの募集定員が約160名(内進生を除く)と狭き門であるにもかかわらず、さいたま市内の教育熱心な家庭から圧倒的な支持を集め、当初倍率が2.0倍を超える異常事態が恒常化しています。これに対し浦和一女は、別学敬遠の心理的ハードルから当初倍率が1.1倍〜1.2倍台の落ち着いた数値にとどまるケースが散見されます。
しかし、ここには重大な落とし穴が存在します。市立浦和の危険な高倍率を恐れた受験生が、志願先変更で蕨高校や越谷北高校、あるいは私立単願への切り替えへ動く一方、浦和一女の「低倍率」を見て安心したボーダー層がそのまま残留した結果、最終的な実質倍率が跳ね上がる現象です。県教育委員会が公表する出願状況資料の精査によると、志願先変更で動く層は概ね各校の下位20%前後の受験生であり、最上位層が動くことはありません。倍率が下がったとしても、埼玉県高校入試合格最低点が大きく下落することは極めて稀なのです。