問題の騒動が巻き起こったのは、シェアハウス内での生活が一定の軌道に乗り始めた時期だった。美容師として働く住人の内原達也が、日頃の仕事への取り組みを評価した接客中の顧客から、特別なお祝いとして贈られたのが超高級な「飛騨牛」だった。
内原達也にとってその高級肉は、単なる食材ではなく自らの努力が実を結んだ証であり、大切な記念品としての意味合いを帯びていた。彼はそれを共同の冷蔵庫に保管し、特別な機会に皆で分かち合うか、あるいは自分自身で大切に味わうつもりでいたという。だが、彼が不在のタイミングで悲劇は起きる。他の同居人たちがその意図を汲み取ることなく、勝手に飛騨牛を調理し、完食してしまったのだ。
帰宅した内原が目にしたのは、すでに姿を消した肉と、悪びれる様子のない同居人たちの姿だった。怒りと深い失望に苛まれた彼は、抗議の声を激しく荒らげることもなく、自室へ引きこもり、布団をかぶってすすり泣く事態に陥った。この静かでありながら決定的な絶望が、画面越しにも強烈な緊迫感を伝えた。