ウェブ検索やナビゲーションアプリを利用する際、旅行者が陥りやすい最大の落とし穴が「岩屋海水浴場」という同一名称による地理的混乱です。国内には代表的な同名スポットが2箇所存在します。一つは淡路島岩屋海水浴場(兵庫県淡路市)、もう一つが北九州若松区 岩屋海水浴場(福岡県北九州市)です。
北九州若松区の岩屋海岸は、響灘(ひびきなだ)の荒波が削り出した千畳敷や奇岩が連なる景勝地であり、サーフィンスポットや夕日の名所として知られる外洋性の海岸です。一方、淡路島の岩屋は瀬戸内海の穏やかな海面越しに明石海峡大橋を間近に仰ぐ都市近郊型リゾートです。SNS上で「波が高くて泳げない」「夕陽が水平線に沈む絶景」といった真逆の口コミが交錯している背景には、この2地点の混同があります。
公共交通機関における動線も全く異なります。淡路島の岩屋へは、JR明石駅近くの明石港から高速船ジェノバラインに乗船して約13分、岩屋ポートビルへ到着後、徒歩約5分という極めて優れたアクセスルートが存在します。離島でありながらマイカーや高速バスを使わずに完結できる気軽さは、全国の海水浴場を見渡しても稀有な利便性です。