頂点のグラスに注いだシャンパンが、次々と下の層へと美しく滝のように流れ落ちていく様子は、一見すると奇跡的なバランスに見えます。しかし、これには明確な物理的仕組みが存在します。
タワーを構成する際、上のグラスのステム(脚)は、下の4つのグラスのフチが接する中心の窪みにぴったりと配置されます。最上段のグラスが液体で満たされてフチから溢れ出すと、溢れた液体はグラスの外壁を伝い、その直下にある4つのグラスへと均等に注ぎ込まれます。この連鎖が2段目、3段目へと繰り返されることで、一切途切れることなく全体へとシャンパンが行き渡る設計になっているのです。
美しく注ぐための黄金ルールは、「最上段の真上から、ブレずに一定のペースで注ぎ続けること」です。勢いよくドバドバと注ぎすぎると液体が跳ねて周囲に飛び散り、逆にチョロチョロと少なすぎると表面張力で均等に分岐しません。また、ボトルをグラスのフチに直接ぶつけてしまうとタワー全体の倒壊事故につながるため、ボトルの注ぎ口はグラスから数センチ浮かせて安定した姿勢をキープすることが求められます。