チャン・ヒョクのアクションが他の俳優たちと決定的に一線を画している理由は、小手先の殺陣ではなく、ブルース・リーが創始した実戦武術「ジークンドー(截拳道)」の長年の修練と、プロテスト基準に匹敵するボクシング技術にあります。
30代前半から10年以上にわたって毎日のように道場へ通い、師範級の免状を持つ彼の動きは、武術指導スタッフからも「動きが速すぎてカメラのフレームレートが追いつかない」と驚嘆されるほどです。なぜ彼は、大怪我のリスクを冒してまで代役を立てずに自ら演じることにこだわるのか。かつてのロングインタビューで彼は、その根底にある美学を次のように語っています。
「アクションは単なる運動や見世物ではなく、登場人物の“感情の噴出”です。背中を向けたスタントの代役では、その瞬間に湧き上がる激しい怒りや、絶望の混じった荒い息遣いまでを観客に届けることはできません」
毎朝4時半に起床し、ランニングとシャドーボクシングで汗を流すという極めて禁欲的な自己管理。贅肉が一切削ぎ落とされた体躯は、俳優としての矜持そのものと言えます。