千葉県袖ケ浦市の大自然の中に広がる東京ドイツ村。東京駅から直線距離で約30km以上離れたこの地になぜ「東京」と名付けられたのか、疑問を抱く人は後を絶ちません。このネーミングの背景には、1997年の東京湾アクアライン開通に伴う首都圏の交通ネットワーク激変と、当時の地域開発戦略が深く関係しています。
施設が開園したのは2001年のこと。事業主体は、アクアラインの開通によって神奈川や東京からの所要時間が劇的に短縮された好機を捉え、首都圏全域を商圏とする一大テーマパークの建設を構想しました。千葉県内には既に「東京ディズニーリゾート」をはじめ、「東京」を冠して全国区のブランド認知を獲得する成功モデルが存在していました。袖ケ浦というローカルな地名だけでは届かない広域のファミリー層や観光客に対し、「首都圏から日帰りできるドイツ風自然体験型パーク」として認知させるための高度なブランディング戦略だったと記録されています。
現地を訪れると実感しますが、敷地面積は東京ドーム約19個分(約90ヘクタール)に及びます。起伏に富んだ緑豊かな丘陵地帯は、ドイツの田園風景を思わせるのどかな景観を形成しており、都市部の喧騒から離れた開放感を味わえる設計となっています。