映画会社の東宝が打ち出したビジネスモデルの革新性も見逃せない。当時、テレビの普及に伴い日本の映画産業は大きな構造的転換を迫られていた。東宝は若者層をターゲットに据え、明るくモダンで開放的な都会的ライフスタイルを提示する戦略に打って出た。
併映作品との組み合わせや、季節感に合わせた定期的な公開サイクル。ビジネスとしてのシステムを確立しながらも、作品自体のクオリティを落とさない緻密なプロデュースワークが光った。モータースポーツやマリンスポーツ、ハワイロケなど、当時の人々にとって夢のような世界観を映像化することで、東宝は映画館を「憧れの未来を体感する場所」へと塗り替えたのである。