誰でも作れる手軽さの裏に、プロがこだわる絶対的な「黄金比率」が存在する。基本となる比率は、ピーチリキュール1に対して烏龍茶が3の割合だ。氷をぎっしり詰めたタンブラーにリキュールを注ぎ、氷を撫でるようにゆっくりと冷やした烏龍茶を注ぎ入れる。マドラーは回しすぎず、縦に一度だけ優しく持ち上げるのが鉄則。混ざりきらない微細なグラデーションが、一口ごとの香りの変化を生み出すからだ。
アルコール度数の調整も自由自在だ。標準的なアルコール度数は約4〜5%前後とビールと同程度だが、翌日に響かせたくない夜には烏龍茶を「1対4」まで増やし、度数を3%台まで落とすのがスマートな裏技。逆に、より深いコクを求めたいときは、烏龍茶の一部を濃縮水出しの高級茶葉に変えたり、隠し味にレモンピールを一振りして柑橘のオイルを表面に漂わせる。茶葉の焙煎香と桃の甘みが幾重にも重なり合い、居酒屋の定番が一気にオーセンティックなバーの味わいへと化ける。