現在、40代から50代を迎えたサバイバーたちの暮らしは決して平坦ではない。1989年の民主化以降、海外への養子縁組や施設からの自立を果たした者もいるが、社会のセーフティネットからこぼれ落ちた多くの人々が、生活困窮や慢性的な健康問題に苦しんでいる。
西欧諸国へ渡った者たちの間でも、アイデンティティの喪失感や突然襲いかかる重度のPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされるケースが後を絶たない。自らのルーツを求めてルーマニアに戻る動きも加速しているが、当時の記録の粗雑さや施設の閉鎖により、実の親にたどり着ける者はごくわずかだ。社会の冷ややかな視線と行政の支援不足が、彼らの孤立をさらに深めている。