知的障害(医学用語では「知的能力障害」または「知的発達症」)を正しく理解するには、まず客観的な判定基準を知る必要があります。医療現場や福祉の現場では、主に知能指数(IQ)がおおむね70以下であること、そして「概念的領域」「社会性領域」「実用性領域」などの適応機能に制限が認められる場合に診断されます。発症時期が「18歳以前の発達期」であることも要件の一つです。
混同されやすい概念として発達障害(ASDやADHDなど)が挙げられますが、両者には明確な違いが存在します。発達障害は主にコミュニケーションの特性や行動の偏り(不注意・衝動性など)を指し、知的能力そのものの低下を伴わないケースも多数あります。一方で、知的障害は全体的な認知能力や学習能力の発達水準が同年齢の平均よりも顕著に緩やかである状態を指します。両者が重複して現れるケースもありますが、概念としては区別して捉えられます。