大手飲料メーカーの開発担当者に取材を試みると、近年の製品設計における明確なターゲット分けが見えてきます。かつて主流だった185gのスチール缶コーヒーは、短時間でガツンとした苦味と覚醒感を求める工場労働者やトラックドライバーを中心に「コーヒー」規格のブラックや微糖が圧倒的な支持を集めていました。
しかし、ペットボトルコーヒーがデスクワークの定番アイテムとなったことで、消費者の嗜好は激変しました。何時間もかけてデスク脇に置きながら飲む「ちびだら飲み」スタイルでは、濃厚すぎる苦味はかえって喉の渇きや胃の疲労を招きます。そこでメーカー各社は、あえて生豆の使用量を調整した「コーヒー飲料」規格や、雑味を極限までろ過したクリアな「コーヒー」規格を次々と投入しました。
ネット上の口コミやSNSでも、この違いに気づいたユーザーから驚きの声が上がっています。
「眠気覚ましにカフェラテを買って飲んでいたのに、午後の会議で猛烈な睡魔に襲われた。裏を見たら『コーヒー入り清涼飲料』と書いてあって納得した」(IT企業勤務・30代男性)
「胃が痛くなりやすいのでブラックを避けていたが、生豆の少ない『コーヒー飲料』を選べば胸焼けせずに楽しめることが分かった」(SNS投稿より)
消費者が抱く「効き目」や「飲みやすさ」の実感は、まさに裏面の原材料規格と完全に連動しているのです。