休部から10年近くが経過した現在、かつて多くのスターを輩出した専用球場を訪れると、独特の静寂が漂っている。内野の土は乾き、外野フェンスの塗料は剥げ落ちている。しかし、現地で接触した関係者やOBたちの口からは、意外な言葉が漏れ出した。「グラウンドの整備や敷地の保全は、今でも有志の手によって定期的に行われている」という事実だ。
現在、校内では一般的な学習環境の改善と生徒数の適正化が進められており、スポーツ特待生に頼ったかつての経営モデルからの脱却を図っている。だが、校舎内に展示された優勝旗のレプリカや数多のトロフィー群は今も丹念に磨かれ続けている。かつて甲子園を揺るがした名門の衝撃的な「現在地」は、単なる廃墟ではなく、次なる局面を見据えた静かな「保管状態」にあった。