ニートのお金事情を語る上で避けて通れないのが、80代の親が50代の無職の子を支える「8050問題(現在は9060問題へシフト)」です。親が健在なうちは親の年金(厚生年金・国民年金)を原資に世帯全体がなんとか維持されますが、この共生関係には明確なタイムリミットが存在します。
親が他界した瞬間、年金の受給権は消滅します。残されたニートに直面する金銭的危機は以下の通りです。
- 固定資産税と維持費の未払い:実家を相続しても、年数十万円の固定資産税や修繕費が払えず、最終的に差し押さえや競売のリスクに直面する。
- 健康保険料・年金保険料の請求:世帯主の変更に伴い、国民健康保険料の請求が本人へ直接届くようになり、滞納から保険証の失効へ追い込まれる。
- 親の口座凍結による現金の枯渇:死亡届の提出とともに親名義の銀行口座が凍結され、葬儀費用や当面の生活費すら引き出せなくなる。
報道各社が取材した孤立死や餓死寸前の事例では、「親の死亡届を出さずに年金を不正受給して逮捕された」という悲劇的な結末も後を絶ちません。親の年金に依存する構造は、親の寿命が尽きると同時に世帯全体の経済的死を招く極めて危うい土台の上に成り立っています。