なぜ広島東洋カープは、これほどまでに日本一から遠ざかっているのか。そこにはレギュラーシーズンと日本シリーズにおける戦い方の構造的な違いが存在する。
143試合を戦い抜く長丁場のペナントレースでは、投手陣の層の厚さと安定した育成システムがモノを言う。広島はその誇り高き生え抜き育成主義で何度もセ・リーグを制してきた。しかし、わずか7戦で勝敗が決まる日本シリーズは別物だ。圧倒的なエースの連投や、相手の弱点を徹底的に突く戦略、指名打者(DH)制への対応力など、短期決戦特有の「劇薬」を投与する決断が求められる。
パ・リーグのパワー野球とDH制が生み出す打線の層に圧迫され、あと一歩で涙を飲んできた歴史。地元・マツダスタジアムを赤く染め上げる熱狂的なカープファンにとって、「日本一」の二文字は単なる目標を超えた、悲願の祈りに近い。