2010年夏に報じられた岡村隆史の体調不良ニュースは、お茶の間に大きな混乱をもたらしました。当時、公式発表では「体調不良による休養」と曖昧に濁されていたため、ファンの間では「岡村隆史はパニック障害ではないか」「過呼吸で倒れたらしい」といった噂が急速に拡散しました。突発的な不安や過呼吸発作を伴うパニック障害は、当時の芸能界でも公表するタレントが散見されたため、世間が結びつけやすかった背景があります。
後年に本人がラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』や特番のロングインタビューで明かしたうつ病の真相によると、実際の病態はパニック発作というよりも、心身のエネルギーが完全に枯渇した重度のうつ状態・バーンアウト(燃え尽き症候群)でした。極限の疲労から自律神経が崩壊し、脳が正常な判断力を失っていたのです。
「寝ようとしても脳が覚醒して全く眠れない」「睡眠導入剤を飲んでも一睡もできない」という地獄のような不眠が数週間にわたって続き、次第に精神は追い詰められていきました。当時の状況について岡村は、「頭の中が常にパニック状態で、何をしていても焦燥感しか湧かなかった」と振り返っています。世間で囁かれたパニック障害という診断名そのものではなく、過度のプレッシャーと睡眠遮断が生み出した「全般性の極限パニック状態とうつ症状」こそが、岡村隆史の休養理由の真の正体でした。