「不死身の杉元」――その異名の裏には、あまりにも切なく過酷な過去が隠されている。故郷の村を追われ、結核によって家族を相次いで失った青年期。生きる希望を失いかけた彼を突き動かしたのは、幼馴染の梅ちゃんを救いたいという一心だった。視力を失いつつある彼女のアメリカでの治療費を稼ぐため、彼はゴールドラッシュに湧く北海道へと足を踏み入れる。
戦場で親友・寅次から託された最期の言葉。それが杉元の魂に刻まれた不滅の原動力となった。彼が戦場で発する「俺は不死身の杉元だ!」という叫びは、自己鼓舞であり、同時に死線を超越するための悲痛な祈りでもある。圧倒的な暴力性と極限の優しさが同居する彼の二面性こそが、この物語の核に他ならない。