現場における最大の違反行為の一つが、会場内でのアルコール類の販売継続でした。愛知県や展示場の運営管理会社は、開催直前まで酒類提供の自粛を文書や口頭で再三要請していましたが、主催者側はこれを無視してビールなどの販売を続けました。
酒類の提供によって観客の心理的ハードルは下がり、泥酔した参加者がマスクを外して肩を組み、大声で合唱する危険な空間が形成されました。さらに、熱中症対策を名目に持ち込みが許可されたエリアでも導線管理が崩壊し、検温や手指消毒の体制も名ばかりの形骸化したものとなっていました。
フェス終了後、懸念は現実となり、参加者の中から合計数十名規模の新型コロナウイルス陽性者が確認され、複数の自治体から公式にクラスター(感染者集団)として認定される事態に陥りました。愛知県の大村秀章知事は記者会見で「指示や要請をことごとく無視した極めて悪質な事例」と激怒し、常滑市の伊藤辰矢市長も「会場の二度と使わせない」旨の厳しい抗議声明を発表する異例の展開となりました。