柴田英嗣の活動休止に至る経緯には、複数のプライベートな問題が複雑に絡み合っていました。後年のバラエティ番組やインタビューで柴田本人が赤裸々に告白したところによると、休養期間中には元妻との関係悪化や女性トラブルへの対応に追われ、精神的にも追い詰められた状態が続いていたといいます。
一方、相方の山崎弘也は柴田の不在期間中、持ち前の圧倒的なアドリブ力とキャラクターを武器に単独でブレイク。『ロンドンハーツ』や『アメトーーク!』をはじめとする人気番組で不動のポジションを確立していきました。ここで生じたのが、「ピン芸人としての圧倒的な格差」でした。
なぜ山崎は柴田との共演を頑なに拒み続けたのか。メディア各社や関係者の証言を総合すると、そこには山崎の冷徹なまでの「芸人美学」と「柴田への配慮」が存在していました。
「ザキヤマのおかげで柴田が戻ってこられた」という見え方になってしまえば、柴田の芸人としてのプライドは砕かれ、コンビの力関係も完全に歪んでしまう。山崎は「柴田さんがピンとして実力を認められ、自分と同じステージに戻ってくるまではコンビを再開させない」という高いハードルをあえて課していたのです。周囲からは「共演NG」と受け取られた長い沈黙は、実のところ柴田の完全復活を待つためのストイックな冷却期間でした。