2021年の離婚決定時、世間を最も驚かせたのは「父親である市村正親がふたりの息子の親権を持つ」という判断だった。日本の親権制度や従来の慣習においては、母親が親権を持つケースが圧倒的多数を占めていたからだ。
しかし、この決断の裏には「男手ひとつで育てる」という意地ではなく、「舞台人として生きる父親の背中を、成長期の子どもたちに最も近い場所で見せたい」という篠原側の深い理解と、市村の強い覚悟があった。そして篠原は親権を譲りつつも、母親としての関与を一切減らさなかった。毎日のお弁当作りや送迎、学校行事への参加など、物理的な距離を感じさせない密密なコミュニケーションを継続したのだ。
法的な「親権」という概念に縛られず、実質的な「育児責任」をフレキシブルに分担するスタイル。このアプローチは、多様化する日本のライフスタイルにおいて、離婚後の共同養育のモデルケースとして高く評価されるようになった。