伊藤蘭のソロ歌手としての本格復帰は、日本のポップスシーンにおけるひとつの大きなニュースだった。キャンディーズ時代の輝きを胸に秘めつつも、決して懐古趣味にとどまらない、大人のポップミュージックを提示し続けている。
ライブ会場には、当時を知る熱狂的なファンだけでなく、親の世代から曲を引き継いだ20代や30代の姿も目立つ。伊藤の持つ唯一無二の透き通った声質と、観客を優しく包み込む笑顔は、時代を超えて聴く者の心を解きほぐす。客席のどこかには、多忙なスケジュールの合間を縫って密かに妻のステージを見守る水谷の姿が目撃されることもある。