柴田倫世の子育て方針は、日本のスポーツ選手の家庭によく見られる「父親最優先」のスタイルとは一線を画していた。「父親が有名選手であっても、子供たちにとっては一人の親に過ぎない」という強い信念のもと、米国での教育環境の構築に徹底してこだわった。子供たちには日本語と英語のバイリンガル教育を施すだけでなく、自立心と多様性を重んじるアメリカの教育思想を積極的に採り入れたのだ。
父親の試合観戦を優先させるために学校を休ませるようなことは決してせず、学業と個人のアイデンティティ形成を最優先に据えた。周囲の目を気にすることなく、一人の人間として力強く生きていけるたくましさを育てること。このブレない教育方針があったからこそ、子供たちは親の威光に頼ることなく、それぞれの専門分野や学問の世界で目覚ましい成長を遂げることができたのだ。