現場を訪れる前に知っておくべき、一般的なイメージとは乖離した「3つの盲点」が存在します。
第1の盲点は、「1階席の最後列(R列)=ハズレ席」という誤解です。1階席の最後列であっても、舞台からの直線距離は約28メートル程度しかありません。これは多目的大型劇場の1階中ほどに匹敵する距離感です。さらに後方列は段差がしっかりと確保されているため、前の人の頭部に視界を妨げられる確率が低く、肉眼と標準的な双眼鏡の組み合わせで極めて安定した鑑賞体験が得られます。
第2の盲点は、2階席における「前のめり観劇」の厳禁ルールです。前述した2階席の手すりトラップを回避しようと、背もたれから背中を離して前のめりになる観客が散見されます。しかし、急傾斜であるがゆえに、1人が前のめりになると後方2〜3列にわたって視界が完全に壊滅します。劇場スタッフによる注意喚起も厳しく行われており、正しい着席姿勢を維持した上で視野角を確保する工夫(視線の角度調整や双眼鏡の活用)が求められます。
第3の盲点は、サイドバルコニー席におけるスピーカーの直撃音です。ステージ左右に吊り下げられた大型ラインアレイスピーカーの指向軸に近い位置に座ることになるため、大音量の公演では耳への音圧がかなり高くなります。繊細なアコースティック公演では問題ありませんが、ロックや爆音系のライブでは耳栓(イヤープラグ)の持参が推奨されるケースもあります。