日本におけるブリトーの認知を決定づけたのは、間違いなくセブン-イレブンの存在です。同社が1983年にチルド温度帯の軽食として発売を開始したことで、日本人の食生活に「ブリトー」という言葉が浸透しました。
当時、アメリカのセブン-イレブンで販売されていた商品を日本向けにローカライズする際、開発陣は米国の巨大なものとは全く異なるアプローチを取りました。日本人好みのしっとり・もっちりとした薄皮生地を開発し、中身にはシンプルで親しみやすい「ハム&チーズ」を採用したのです。
この日本版ブリトーは、以下のような革新的な特徴を持っていました。
- チルド管理と電子レンジ加熱の融合:レンジで数十秒加熱するだけで、内部のゴーダチーズやモッツァレラチーズがとろりと溶け出し、生地のもっちり感と絶妙に調和する。
- 片手で食べられるワンハンド設計:スプーンや箸を使わず、包装紙をワンタッチで切り取って手を汚さずに食べられる構造。
- 定番とトレンドの多彩な種類展開:不動の「ハム&チーズ」を軸に、「ウインナー&ボロネーゼ」「ハラペーニョ香るタコスミート」「アボカドチーズ」など、時代のトレンドに合わせた限定フレーバーを継続的に投入。
本場のメキシコ人やアメリカ人が見れば「これは別物だ」と驚くほどコンパクトで上品な仕上がりですが、日本のコンビニエンスストアのチルド技術と小麦加工技術が融合した、見事な独自カルチャーと言えます。