カタカナ誕生の過渡期を今に伝える最高峰の史料が、国宝にも指定されている『金光明最勝王経』の古写本だ。この経典の行間には、当時の僧侶たちが角筆で残した初期カタカナや訓読記号がびっしりと刻み込まれている。
近年、国立国語研究所をはじめとする研究機関がこれらの貴重な言語資源のデジタルアーカイブ化を急速に進めている。研究者や一般ユーザーは、日本最大級の学術論文データベースであるCiNii Researchや、科学技術情報プラットフォームJ-STAGEを通じて、最新の論考や高精細画像データを瞬時に閲覧できるようになった。
国語学や歴史言語学の領域では、人工知能による筆跡解析や3D画像処理技術を導入することで、これまで判読不能だった微細な角筆痕の解読が飛躍的に進行している。文字のルーツを巡る研究は、今やデジタル人文学の最前線として新たな黄金期を迎えているのだ。