ニュースを正しく読み解く最大のポイントは、閣議決定と国会による承認・法律成立の決定的な違いを混同しないことだ。国会は憲法上「国権の最高機関」であり「唯一の立法機関」と定められているのに対し、内閣は法を執行する行政機関にすぎない。
政府が国会に提出する法案(閣法)や予算案は、まず内閣内部で閣議決定を経てから国会へ送られる。閣議決定の段階では、あくまで「政府としてこの法案を通したい」という意思表示が固まったにすぎない。国会での審議、衆議院・参議院双方での可決というプロセスを経て初めて「法律」として成立し、国民全体への法的効力を獲得する。
一方、防衛装備移転三原則の改定や安全保障関連の基本方針、憲法解釈の変更などは、法律そのものを変えずに閣議決定のみで運用方針を変更するケースがある。これが「国会審議の形骸化」として国会論戦で激しい批判の対象となるのは、国民の代表機関である国会の議決を経ずに、政府の裁量だけで国の針路が大きく塗り替えられてしまうためだ。