これほど魅力的なあけびですが、身近な平地のスーパーマーケットで見かける機会は滅多にありません。その理由は「傷みやすさ」と「完熟期間の短さ」にあります。確実にあけびの実を入手するための主要ルートは限られています。
店頭で購入する場合、伊勢丹や銀座千疋屋などの高級百貨店・果実専門店の地下売り場が最も確実です。ただし価格は1個あたり600円〜1,000円と高名なブランド価格に設定されています。より手頃に良品を入手したい場合は、9月中旬以降、東北地方や信州方面の「道の駅」やJA直売所に立ち寄るか、東京近郊であれば銀座にある山形県のアンテナショップ(おいしい山形プラザなど)を狙うのがベストな選択肢です。
全国から確実に取り寄せる手段として定着しているのが、大手ECモール(楽天市場、Yahoo!ショッピング)や「産直アウル」「食べチョク」「JAタウン」などの産地直送通販プラットフォームです。産直通販では、山形県朝日町や上山市の契約農家から朝採れの露地あけびが1kg〜2kg(5〜10玉前後で3,000円〜5,000円程度)で即日クール便発送されます。通販で購入する際は、「生食用果肉重視(糖度記述があるもの)」か「皮料理用(傷がなく肉厚な大玉選別の秀品)」かを用途に合わせて選択することが、期待外れを防ぐ唯一の秘訣です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
あけびの実を巡る評価は、個人の味覚趣向と「どの部位を主として食すか」によって真っ二つに分かれます。購入前に以下の基準で自己診断することをお勧めします。
- 手放しでおすすめできる人:
- ふきのとうやゴーヤ、春菊など、素材が持つ「品の良いほろ苦さ」を愛せる人
- 郷土料理づくりへの探求心があり、酒の肴になる深みのある料理を楽しみたい人
- 短期間しか流通しない日本の季節行事・旬の情緒を五感で追体験したい人
- 購入を慎重に見送るべき人:
- シャインマスカットやメロンのように、手軽に種なしで濃厚な甘汁をがぶりと頬張りたい人
- 食事において苦味やエグみの一切を本能的に拒絶してしまう人やお子様
- 「果肉だけで満腹になりたい」というコストパフォーマンス重視の人(可食果肉の絶対量は少ないため)