SNSや一部のネット掲示板では「西脇市駅から列車が全廃され、駅舎が取り壊される」といった極端な噂が散見されますが、これは明確な誤解です。現在テーブルに乗っている議論を精査すると、いくつかの重要な盲点が見えてきます。
第一の誤解は、西脇市駅加古川線の全線が対象になっているという見方です。前述の通り、加古川〜西脇市間は輸送密度が5,000人を超えており、JR西日本の経営基準においても即座に廃線検討に入る路線ではありません。議論の焦点はあくまで「西脇市駅から北の谷川方面」の区間です。仮に北部区間が見直されたとしても、西脇市駅は加古川方面からの折り返しターミナル駅として機能し続けます。
第二の盲点は、鉄道代替としての「地域交通の高度化」という視点の欠落です。鉄道という「レールの上を走る巨大な鉄の箱」に固執するあまり、1日わずか9往復しか来ないダイヤを維持するよりも、小型EVバスやデマンドタクシーを30分間隔で走らせる方が、高齢化が進む沿線住民にとって格段に利便性が向上するという交通工学的な指摘があります。
第三に、西脇市駅は鉄道単体の駅ではなく、広域交通結節点としての役割をすでにシフトさせている点です。鉄道の線路存続のみに目を奪われると、街全体のモビリティデザインを見誤ることになります。