法人の設立形態を選ぶにあたり、一般社団法人が持つ独自のメリットとデメリットを冷徹に天秤にかける必要があります。表面的な設立の容易さだけで飛びつくと、後々の事業展開で致命的な足枷となるケースが少なくありません。
まず最大のメリットは、設立費用の圧倒的な安さと参入障壁の低さです。資本金が0円で済むだけでなく、登録免許税は一律6万円、定款認証手数料も約5万円で済むため、実質11万円強の実費で法人格を取得できます。また、業界団体、資格認定機関、学術団体、地域振興プロジェクトなどを立ち上げる際、「一般社団法人」という法人格そのものが持つ公共性や中立性のイメージが、ステークホルダーからの信頼獲得に寄与します。
一方で見過ごせないデメリットは、「エクイティファイナンス(出資受け入れによる資金調達)が構造上不可能」である点です。株式を発行できないため、ベンチャーキャピタルからの投資受入や将来的なIPO(新規上場)を目指すことはできません。さらに、法人が解散する際、残った財産を役員や社員が自由に分配することはできず、国や地方公共団体、あるいは他の公益的な法人へ帰属させなければならない法的一方通行のルールが敷かれています。