従来の鼻咽頭ぬぐい液採取を受ける場合でも、受診者側のちょっとした身体の使い方で体感する痛みは劇的に緩和されます。耳鼻咽喉科医や小児科医が推奨する実践的なテクニックは以下の3点に集約されます。
① 顎(あご)を引き、視線をやや下に向ける
多くの人が綿棒を入れられる恐怖から顔を上へ反らしてしまいがちですが、これは逆効果です。顔を上げると鼻腔の通り道が狭まり、綿棒が軟骨に衝突して激痛の原因になります。背筋を伸ばして軽く顎を引き、真っ直ぐ正面かやや足元を見る姿勢を保つと、鼻の穴から上咽頭までのルートが水平に一直線となり、綿棒がスムーズに進入します。
② 「はぁー」と口から細く長く息を吐き続ける(脱力呼吸法)
綿棒が入ってくる瞬間に息を止めたり鼻をすすったりすると、鼻腔内の筋肉が固く締まり、痛みが何倍にも増幅します。検査が始まったら目を閉じず、口を半開きにして「はぁーー」と音を立てるようにゆっくり息を吐き出すことに意識を集中させてください。息を吐き続けている間は副交感神経が優位になり、鼻の奥の緊張が解けて痛覚が鈍化します。
③ 医師の動きに合わせて頭を動かさない
綿棒が触れた瞬間にビクッと頭を後ろに引くと、綿棒の先端が粘膜に深く突き刺さり、強い痛みや鼻血の原因となります。椅子の背もたれにしっかりと後頭部や背中を預け、数秒間だけ静止を保つことが、結果として検査を最も早く終わらせる秘訣です。