比例代表制には、ベテランの有権者でも誤解しやすい制度上の「落とし穴」がいくつか存在します。
1. 参議院の「特定枠」による順位の逆転
参議院比例代表は本来、個人名票を多く集めた順に当選する「非拘束名簿式」ですが、2019年の公職選挙法改正によって特定枠が新設されました。特定枠に指定された候補者は、どれほど個人票が少なかろうと、政党が獲得した議席の「最優先(1位・2位など)」で当選します。これにより、全国で数十万票を集めたタレント候補や重鎮候補が落選し、数万票の特定枠候補が当選するという逆転現象が発生します。
2. 比例選出議員の「鞍替え・離党」の制限
「比例代表で当選した議員が党を離れたら議席はどうなるのか」という点もよくある疑問です。公職選挙法第99条の2の規定により、比例代表で当選した議員が、自発的に他党へ移籍(鞍替え)した場合、原則として議員失職となります。ただし、無所属として活動する場合や、党から「除名(クビ)」された場合は議員資格を失いません。