作中で描かれた東京中央銀行大阪西支店長・浅野匡の人物像。そこには画面の表層だけでは語り尽くせない過酷な背景が隠されている。原作小説の著者である池井戸潤が提示した世界観において、浅野は単なる強欲な幹部ではない。本部からの熾烈なノルマ圧力と、自身が抱えた株式投資の失敗という二重苦に追い詰められた男だった。
プライドばかりが高く、現場のたたき上げである半沢を見下しながらも、内面は焦燥感で焦げ付いていた。5億円という巨額の融資事故を故意に引き起こし、すべての責任を部下になすりつけようとした冷酷さ。その裏にあったのは、エリート街道からの脱落を恐れる哀しいまでの小心さだったのだ。