ベトナム語でスーパーマーケットを指す言葉が「siêu thị(シウ・ティー)」です。語源を辿ると漢字表記の「超市(超=siêu、市=thị)」に由来しており、中国語のスーパーマーケット表現と同根のルーツを持ちます。路肩や路地に店を広げる伝統的な青空市場が「chợ(チョー)」と呼ばれるのに対し、siêu thịは定額表示、空調完備、近代的なPOSレジを備えた近代小売店舗を明確に指し示しています。
かつてベトナムの人々にとって、日々の食材調達といえば早朝の市場で店主と価格交渉しながら買い揃えるのが日常でした。しかし、共働き世帯の急増と都市部を中心とする衛生意識の劇的な高まりを背景に、流通過程のトレーサビリティが担保されたスーパーの存在感が急速に拡大しています。生鮮食品の鮮度管理やプライベートブランドの開発が進み、市民生活のインフラとして不可欠な存在となりました。
外国人旅行者にとっても、ベトナム語スーパーマーケットである「siêu thị」は強力な味方です。市場のような観光客向けの過剰なふっかけ(外国人価格)に遭遇するリスクが皆無で、すべての商品に明確なプライスタグが付いているため、適正な現地相場を掴むための指標としても機能しています。