実家の木彫りの熊が数十万円に?最新相場とお土産品の決定的一線

実家の木彫りの熊が数十万円に?最新相場とお土産品の決定的一線

実家の木彫りの熊が数十万円に?最新相場とお土産品の決定的一線とはどのようなものなのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

骨董品やメルカリ・ヤフオクの取引をめぐり、一般の消費者が最も陥りやすい典型的な誤解が存在します。それが「鮭をくわえた熊(鮭喰い熊)こそが本物で価値が高い」という思い込みです。

実は、美術的・骨董的に最も価値が高い八雲町の伝統的な木彫り熊は、基本的に鮭をくわえていません。自然界のヒグマのありのままの生態を捉えるため、四つ足で大地を踏みしめる「這い熊」や、首を傾げて座る「座り熊」が主流です。一方、「鮭をくわえた熊」が爆発的に広まったのは昭和30年代後半以降、旭川や登別などの観光地でお土産用のキャッチーなアイコンとして機械彫り・量産化されたものが大半です。

もちろん、旭川系やアイヌ系の作家の中にも鮭をくわえた素晴らしい名作は存在しますが、「実家の大きな鮭喰い熊だから百万円になるはずだ」と期待して査定に出すと、大量生産のお土産品として数百円の提示を受け愕然とするケースが多々あります。「鮭をくわえているか否か」ではなく「誰が、どのような意図と技巧で彫ったか」が価値の分水嶺であることを認識しておく必要があります。

山田 真由
著者

山田 真由

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