動物園で発生する遺体や有機廃棄物の処理は、常に極めて繊細な法的手続きを要する。特に廃棄物処理法が定める基準は年々厳格化しており、排ガス中のダイオキシン類抑制や燃焼管理には莫大な設備投資が欠かせない。
しかし、近年の地方自治体を取り巻く財政難は、動物園経営の現場にも暗い影を落としていた。集客や動物の飼育環境の充実には予算が優先的に充てられる一方で、目に見えにくいバックヤードの焼却炉更新工事は後回しにされがちだった。維持管理費を削減せざるを得ない現場の苦境が、法令違反すれすれの運用を常態化させてしまった構図が浮かび上がる。