インターネット上で文学作品を享受する環境が劇的に変わるなか、谷川作品のデジタルアーカイブや学校現場での活用法も新たな局面を迎えている。学校のタブレット端末で詩を読み、朗読音声を生成して共有する授業が当たり前になった。
一方で、正確なテキストのあり方や著作権への配慮を巡る議論も絶えない。短いフレーズの切り抜きがSNSで消費されがちな時代だからこそ、作品の冒頭から結びまでを一連の流れとして体験する「全文読解」の価値が見直されている。一行ごとに景色が地球規模で切り替わっていくダイナミズムは、断片的な引用では決して味わえないからだ。