『香水』の歌詞を語るうえで欠かせないのが、作詞・作曲を手掛けた瑛人自身の生々しい実体験です。当時のインタビューやメディア出演時の証言によると、この楽曲のモチーフとなったのは、高校時代から約3年半交際し、破局してから3年ほどが経過していた元彼女でした。
「夜中に いきなりさ いつ空いてるのってライン」という歌い出しの通り、連絡が途絶えていた元カノから突然メッセージが届き、久しぶりに再会した夜の出来事がそのまま歌詞の骨組みとなっています。瑛人自身、「フラれてからもずっと引きずっていたけれど、久しぶりに会った彼女は髪を染め、すっかり大人の女性に変わっていた」と当時の心境を振り返っています。
そして、誰もが強いインパクトを受けたサビの「ドルチェ&ガッバーナの その香水のせいだよ」という象徴的なワンフレーズ。実は、瑛人自身がその香水をつけていたわけでも、元カノの愛用品だったわけでもないという意外な事実が明かされています。
当時、神奈川県横浜市内のハンバーガーショップ「PENNY'S DINER(ペニーズダイナー)」でアルバイトをしていた瑛人は、オーナーが愛用していたドルチェ&ガッバーナの香水を「これつけて出かけてみなよ」と吹きかけられ、その足で友人たちと曲作りを行いました。ギターを弾きながらセッションをしている最中、ふと自分の首元から漂ってきた香りをきっかけに、自然と口からあふれ出た言葉が「ドルチェ&ガッバーナ」だったのです。偶然の出来事と過去の記憶が重なり合い、奇跡的なリアリティを持つ名フレーズが誕生しました。