理科の実験や電子工作の現場で知られているのが、鉛筆の芯が持つ「優れた導電性(電気を通す性質)」です。
木やプラスチックなどの一般的な文房具は電気を通さない「不導体(絶縁体)」ですが、鉛筆の芯で紙の上に太く濃い線を引き、そこに豆電球やLEDをつないだ乾電池の回路を接触させると、回路がつながり明かりが灯ります。また、鉛筆の芯そのものを取り出して電極として利用することも可能です。
この現象は、主成分である黒鉛(グラファイト)の原子構造に由来します。炭素原子は本来4つの価電子を持っていますが、グラファイトの層状平面構造では3つの電子しか結合に使われていません。余った1つの電子が「自由電子」として平面層内を自由に動き回ることができるため、金属と同じように電気をスムーズに流すことができるのです。
一方、同じ鉛筆という名前であっても、色鉛筆の芯は電気を通しません。色鉛筆の芯には黒鉛が含まれておらず、絶縁体であるワックスや油脂、顔料で構成されているためです。