価格以外で最も気になるのが、香りやボトルのクオリティに違いがあるのかという点だろう。例えば、時代を超えて愛されるシャネル N°5や、世界的なヒットを記録しているディオール ソヴァージュといった名作フレグランスにおいても、海外流通版と日本国内向け商品とで微小な成分差が存在する場合がある。これは、各国で認められている香料の規制基準が異なるためだ。
また、日本国内で香水を輸入・販売するためには、薬機法(医薬品医療機器等法)に基づいた厳しい製造販売承認と検品が義務付けられている。正規代理店品はもちろん、正しく輸入された商品には日本語の成分表示ラベルが必ず貼付される。しかし、長時間の海上輸送や保管環境の温度管理によっては、トップノートの飛びやすさや香りの変質が生じるリスクも否定できない。海外現地仕様のパッケージデザインやスプレーの仕様が国内版とわずかに異なるケースがあるのも、この流通の仕組みに由来している。