連載および単行本刊行から歳月が経過した現在でも、コミックレビューサイトやSNSコミュニティにおいて本作への言及は途絶えることがありません。電子書籍ストアのレビュー集計(主要プラットフォーム複数社の平均値)においても星4.6以上という驚異的なアベレージを維持しており、読者からの熱烈なコメントが日々投稿されています。
ファンの生の声を集約すると、評価のポイントは大きく3点に集約されます。
第一に挙げられるのが、「受けである夏生の人間臭い情けなさと可愛さの絶妙なバランス」です。ネット上の感想では「元ヤン風なのに根っこがチキンで、罪悪感にオロオロしている姿が愛おしすぎる」「攻めに翻弄されて泣き顔を晒す夏生のギャップに撃ち抜かれた」という声が圧倒的多数を占めます。完璧な善人でも完全な悪人でもない、どこにでもいるような青年の弱さを魅力に転化させる筆致は、おげれつたなか先生の真骨頂と言えます。
第二に、「広の底知れない重たい愛と執着の描写」です。「ただの意地悪な後輩かと思いきや、夏生への感情が巨大すぎて鳥肌が立った」「攻めの執着が好きな読者にはたまらないバイブル」といった熱い支持が寄せられています。読者は読み進めるうちに、加害と被害の立場が逆転し、最終的に愛の深さによって関係性が再構築されていくダイナミズムに圧倒されています。
そして第三に、「無料試し読みから一気読みへ引き込む構成力」です。各電子書店で定期的に実施される試し読み増量キャンペーンをきっかけに本作と出会い、「冒頭の再会シーンの緊張感に惹き込まれ、気付いたら即座に単行本を購入していた」という新規ファンの参入が今も後を絶ちません。