ビジネスドラマとしての重厚感と完璧な均衡を保っていたのが、ヒロイン・夏井真琴(澤木千尋)を演じた石原さとみとの感情の掛け合いです。並外れた記憶力を持ちながら就職活動に苦戦する不器用な東大生が、日向の奔放さに振り回されながらも唯一無二のパートナーへと成長していくプロセスは、視聴者の強い共感を呼びました。
特に視聴者の間で語り草となっているのが、感情が極限まで高まる名シーンの数々です。第11話(最終回)におけるオフィスの壁越しでの告白や、空港での感情が爆発するラストシーンのキスは、平成ドラマ史に残る名場面として知られています。
その熱狂を受けて制作されたスペシャルドラマ『リッチマン、プアウーマン in ニューヨーク』では、遠距離恋愛となった二人が直面する価値観の衝突と、生活習慣のズレから生まれる摩擦がリアルに描写されました。ニューヨークの街並みを背景にした洗練された映像美と、時差を越えて心を通わせる結末は、連続ドラマ版の伏線を鮮やかに回収する決定打となりました。
さらに、シンガーソングライター・miwaによる主題歌『ヒカリヘ』のエレクトロサウンドと疾走感あふれるメロディは、夜の首都高やオフィスの煌めきと完璧にシンクロし、作品の熱量を何段階も引き上げる役割を果たしました。