医療や生物学の視点から見ても、キラーT細胞の位置づけは極めて特殊かつ重要だ。人間の免疫系は大きく分けて「自然免疫」と「獲得免疫」の2つが存在するが、彼らは後者の主役として君臨している。
白血球や好中球などの自然免疫部隊が初期対応で食い止めきれなかった強敵に対し、ヘルパーT細胞の指令を受けたキラーT細胞が満を持して出動する。敵の特徴を正確に記憶・認識し、増殖して集中攻撃を仕掛ける様は、まさに軍隊における特殊部隊そのものだ。自身を「ヘルパーT細胞」や「メモリーT細胞」へと変化・連携させる獲得免疫のネットワークは、進化が生み出した究極の防御システムと言っても過言ではない。