初夏から夏にかけての釧路を象徴するのが「じり」と呼ばれる非常に細かい海霧だ。太平洋上の暖かく湿った空気が冷たい海面で冷やされ、そのまま強い南風に乗って陸地へと押し寄せる。街全体が白いベールに包まれると、日中の気温は20度前後にまで急降下する。本州で猛暑日が連続する7月や8月であっても、長袖の上着を羽織らなければ肌寒さを感じるほどの涼しさだ。
しかし2026年夏の観測データは、これまでとは少し異なる傾向を示している。気象庁の記録によると、霧が発生する日数自体は高水準を維持しているものの、霧が明けた直後に突発的な昇温が起きる事例が報告されている。霧が日光を遮る効果が途切れた瞬間、一気に気温が5度以上跳ね上がる。冷涼なイメージに油断していると、思いがけない寒暖差に身体が追いつかなくなるリスクが潜んでいる。