「今すぐこの場所から消え去りたい」――。2016年12月9日、所属事務所トップコートを通じて突如送付されたA4用紙1枚の直筆ファクス。そこには、信頼していた仲間から罠に嵌められた絶望と、芸能界という閉鎖的空間への訣別が生々しく綴られていた。
トップ俳優としてのキャリアは、あまりに呆気なく断ち切られた。違法行為の証拠は何一つ立証されていないにもかかわらず、本人が身を引かざるを得なかった背景には、自身の根幹であるセクシャリティが好奇の目に晒され続ける耐え難い苦痛があった。
守るべき盾となるはずの業界システムは機能せず、矢面に立たされた孤高のスターは、自ら幕を引くことでしか尊厳を保てなかったのだ。